フォトロン賞 受賞者インタビュー

東北大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 知能ロボティクス学講座
特任准教授 荒井翔悟 先生

受賞者プロフィール

2005年3月
2007年3月
2010年3月
2010年4月
2012年3月
2016年4月
2021年4月

現在に至る

東北大学工学部機械航空工学科 卒業
東北大学大学院情報科学研究科博士課程前期2年の課程修了
東北大学大学院情報科学研究科博士課程後期3年の課程修了 博士(情報科学)
東北大学大学院情報科学研究科 助教
フランス国立情報学自動制御研究所 客員研究員
東北大学大学院工学研究科 准教授
東北大学大学院情報科学研究科 特任准教授(研究)



【研究について】
ロボットマニピュレーションに必要な要素技術である三次元計測、物体・環境認識、把持計画、動作生成、位置決め等とそれらの技術を統合したシステムレベルでの研究を実施しています。特に、ファクトリーオートメーション(FA)をターゲットとして想定しています。工場は、最もロボットの導入が進んでいるフィールドであり、塗装、溶接、組み立てなどの工程の自動化のためにロボットが使用されています。工程を自動化するためには、専門の技術者による周辺装置の設計と設置、ロボットの動作生成、および各種調整が必要とされますが、このプロセスには時間とコストがかかるという問題があります。こうした問題を解決するためには、ロボットの知能化を進め、ロボットが自ら周囲環境を認識し、適切な動作を自動生成することが必要であり、私達が研究の目標としているところです。
IRMAILサイエンスグラントでは、ビジュアルサーボ技術を中心とした研究を展開していきます。ビジュアルサーボは、カメラで撮影した画像を時々刻々フィードバックする位置決め制御系です。人間で言うと、たとえば、手に持ったコップと牛乳パックを見ながら牛乳を注ぐという作業が該当します。 FA分野ではあまりビジュアルサーボ技術の応用例がありません。その原因の一つに、位置決め精度と速さの問題があります。FAでは、この二つを両立させる、つまり高精度かつ高速な位置決めが必要になります。この問題を解決するために私達は新しいビジュアルサーボ(アクティブビジュアルサーボと呼んでいます)を提案して、研究に取り組んできました。これまでの研究で、従来と比較して高精度な位置決めが可能であることがわかっています。今後は、位置決めのスピードに焦点を当てて、高速な位置決めが可能であるかを検証します。

【IRMAILについて】
IRMAILについては、定期的に送られてくる冊子を見て、研究に必要な備品を探すことがあります。今回、応募したIRMAILサイエンスグラントは、助成金と機器の貸し出しがセットになったユニークなグラントであると思います。このグラントを機に研究を進める機会を与えていただいたことを感謝いたします。

先生のより詳しい研究内容はこちらから
東北大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 知能ロボティクス学講座 知能制御システム学分野