ヴァーダー・サイエンティフィック賞 受賞者インタビュー

東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻
助教 栗田大樹 先生

受賞者プロフィール


2007年3月
2009年3月
2012年3月
2012年3月


2012年5月
2013年11月
2016年3月
2018年4月
2020年4月

現在に至る

学歴:
工学院大学 工学部 卒業
工学院大学 大学院工学研究科 博士課程前期 化学応用学専攻 修了
東北大学 大学院工学研究科 博士課程後期 材料システム工学専攻 修了
東北大学にて博士(工学)を取得

職歴:
フランス国立研究機関 ボルドー固体材料化学研究所 研究員
フランス原子力庁 サクレー研究所 研究員
静岡大学 工学部 機械工学科 テニュアトラック助教
東北大学 大学院工学研究科 材料システム工学専攻 助教
東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻 助教 (現職)


【研究について】
私は現在、「複合材料」と「力学」の2つをキーワードに、材料の微細組織・界面制御をナノレベルで設計し、多機能化と新機能付与に取り組んでいます。
具体的には、以下の3つの主要テーマを実施しています。
1. 圧電および磁歪効果を利用した環境発電と応力・損傷検出センサ材料の創製
2. 極環境下で使用可能な航空宇宙材料の創製および作製技術の創出
3. 天然素材のみで構成される高強度かつ低環境負荷材料の創製

この度の受賞を受けて、水系サスペンションを用いた直接インク印刷法によるセラミクスの三次元造形法の確立を目指します。セラミクス粒子の体積含有率の異なる複数種類のサスペンションを調製し、グリーン体を造形します。そして、貸与いただけるヴァーダー・サイエンティフィック社製の高温炉によって無加圧焼結します。その後、作製した焼結体に対して、種々の試験を行い、セラミクス材料造形に対する本手法の有効性を検証します。本研究により、高強度セラミクス基複合材料の三次元造形の実現ができれば、セラミクス基複合材料製造工程の自動化が達成され、セラミクス基複合材料の製造コストの大幅な削減と安定供給が可能となります。また、流線型の構造部材などの複雑形状かつ高強度が要求されるセラミクス基複合材料の設計が可能となり、タービンブレードや流体力学に基づいた空力性能の高い宇宙往還機の設計を可能とします。
さらに、本手法が汎用セラミクス材料の3D 造形技術として確立することで、将来の様々な分野へのセラミクス材料の適用可能性が大きく拡大するなど、本研究がセラミクス分野の活性化および社会に与える影響は計り知れません。

【IRMAILについて】
私のような、研究資金および装置に乏しい若手研究者にとって、本賞のような制度は大変ありがたく思います。また、ヴァーダー・サイエンティフィック社製の高性能高温炉を使用できる大変貴重な機会をいただき、大変感謝しております。本賞の受賞をきっかけに大きな研究成果をあげ、ヴァーダー・サイエンティフィック社製の高性能高温炉のアピールにもつながることができるよう、最大限に努力する所存です。

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東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻