フォトロン賞 受賞者インタビュー

東京大学 大学院理学系研究科
教授 合田圭介 先生、研究員 磯崎瑛宏 先生、客員教授 Dino Di Carlo 先生

受賞者プロフィール

東京大学大学院理学系研究科 教授 合田圭介 先生
2007年 マサチューセッツ工科大学理学部物理学科 博士課程修了
2007年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部電気工学科 研究員
2012年 東京大学大学院理学系研究科 教授
2014年 内閣府ImPACT プログラム・マネージャー(兼任)
現在に至る

東京大学大学院理学系研究科 研究員 磯崎瑛宏 先生
2014年 東京大学大学院情報理工学系研究科 博士課程修了
2014年 東京大学IRT研究機構 学術支援職員
2015年 東京大学大学院理学系研究科 研究員
現在に至る

カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部バイオエンジニアリング学科 教授 Dino Di Carlo 先生
2006年 カリフォルニア大学バークレー校工学部バイオエンジニアリング学科 博士課程修了
2006年 ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院 研究員
2008年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部バイオエンジニアリング学科 助教
2012年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部バイオエンジニアリング学科 准教授
2015年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部バイオエンジニアリング学科 教授
現在に至る


(左から)合田先生、磯崎先生、フォトロン 鈴木様、フォトロン 桑原様

【現在の研究の内容・目的】
我々は創薬や病理診断に向けて微小液滴を用いた単一細胞解析技術の構築に取り組んでいます。マイクロサイズの微小液滴内に単一細胞やDNAを閉じ込めることにより、大規模な単一細胞解析やデジタルPCRなどが可能となり、創薬や病理診断への応用が期待されています。我々はこの技術を、より実用的な技術へと発展させることを目的として日々研究しています。特に、細胞を閉じ込めた液滴の高速操作技術はとても大切で、現状の技術よりも数十倍から数百倍の速さで操作できるようになると、丸一日かかっていた解析が数分で終えられるなど、実用化へむけて大きく近づくことになると考えています。

【貸与される製品の用途】
これまで、我々は従来よりも10倍以上高速な液滴操作技術を開発してきました。まずはこの技術をさらに発展させ、さらに10倍高速にすることを考えています。そのためには、単なるデバイス構造の最適化ではなく、高速に動く液滴の挙動をしっかりと理解することが大切です。今回使用させていただくハイスピードカメラを用いながら、実験を丁寧に観察・解析して進めていきたいと考えています。

【今後の研究応用の展望】
我々の最終目標は、創薬や病理診断技術の向上に貢献することです。具体的には、特殊な抗体の高速スクリーニングによる創薬や、血中がん細胞の検出による病理診断を中心的な研究対象として扱い、医療分野に幅広く貢献する技術の創出を目指します。

【IRMAILについて】
高価な装置を1年間使用できるということで、研究進捗を加速させるうえでとても有意義なものとなります。このような機会をいただいたことに、大変感謝しております。

先生方のより詳しい研究内容はこちらから
東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 化学科 合田研究室