東邦技研賞 受賞者インタビュー

東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 食品生物構造学研究室
准教授 永田宏次 先生

受賞者プロフィール

1990年 東京大学農学部農芸化学科(農学士)
1992年 東京大学大学院農学系研究科農芸化学専攻(農学修士)
1995年 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻(博士(農学))
1995-1997年 東京都臨床医学総合研究所 研究員
1997-2002年 東京大学生物生産工学研究センター 助手
2000-2002年 日本学術振興会 海外特別研究員
2000-2000年 スウェーデン ウプサラ大学生化学科 Postdoctoral Research Fellow
2000-2002年 英国 ロンドン大学インペリアルカレッジ生化学科 Research Associate
2002-2005年 東京大学大学院農学生命科学研究科 助手
2005-2007年 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教授
2007年 東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授

現在に至る

BMG高城様と岸野先生

(左)東邦技研 米田様と(右)永田先生

細胞間や個体間の情報伝達に関わるタンパク質の構造・機能および相互作用を、 X線結晶構造解析やNMR溶液構造解析などにより詳細に解析し、その成果を害虫や病原菌の制御に応用することを目指して研究を進めています。

害虫抑制研究では、蛾の性フェロモンの生合成を阻害するための基盤研究を進めています。雌の蛾は雄を誘引するために性フェロモンを合成・分泌しますが、この性フェロモンの生合成は頭部の食道下神経節から血リンパに分泌される神経ペプチド(PBAN)が腹部のフェロモン腺細胞表面の受容体(PBANR)に結合することで活性化されます。

私の研究グループでは、PBANがPBANRに結合するのを邪魔する「PBANアンタゴニスト」の分子設計を目指していて、現在その基盤となるPBAN-PBANR複合体の結晶構造解析を進めています。従来は昆虫細胞にPBANRとその改変体を発現させて、リガンド結合能や熱安定性の評価を行ってきましたが、最近は大腸菌を宿主としてリガンド結合能を保持した状態のPBANRを発現できるようになり、PBANRの分子設計と評価が加速化しました。この実験では多サンプルの遺伝子操作やアッセイを行いますので、東邦技研の超小型卓上微量遠心機は重宝すること間違いなしです。

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東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 食品生物構造学研究室